― 浅煎り×低温ドリップが一番おいしい理由 ―
今日は焙煎機の前で、あらためて「豆と向き合う時間」の大切さ、幸せを感じた一日でした。
今回焙煎したのは エチオピア シダモG2。当店では定番でもあり、根強いファンの非常にリピーターの多い豆です。
何度も焙煎してきた豆ですが、今回あらためて検証してみると、
「浅煎りに仕上げて、ドリップ時の湯温を低めにすると、一番バランスが良い」
という結論に行き着きました。
エチオピア シダモG2とはどんなコーヒー豆か

エチオピアはコーヒー発祥の地として知られていますが、その中でもシダモ地区は特に香りの良さで有名です。
エチオピア シダモG2の一般的な特徴
・華やかな香り(フローラル、柑橘系)
・明るくクリーンな酸味
・紅茶のような軽やかな口当たり
・冷めても味が崩れにくい
「G2」というのはグレードを表しており、
欠点豆が比較的少なく、日常的に楽しめる品質の良さが魅力です。
派手すぎず、それでいてエチオピアらしさはしっかりある。
だからこそ焙煎や抽出の違いが、そのまま味に出やすい豆でもあります。
エチオピアシダモをあえて浅煎りに仕上げている理由
今回の焙煎では、シティロースト手前の浅煎りで止めました。
理由はシンプルで、
このシダモG2が持っている
・柑橘系の酸
・花のような香り
・軽やかさ
を、消さずに残したかったからです。
深く煎ってしまうと、どうしても
・ロースト感
・苦味
・甘みの重さ
が前に出てきます。
それも悪くはないのですが、今回は
「この豆でしか出ない味」を優先しました。
浅煎りで感じた味わいの変化
焙煎直後のカッピングでは、次のような印象でした。
・香り:白い花、レモンピール
・酸味:角がなく、透明感がある
・甘み:はちみつのような軽い甘さ
・後味:すっと消えていく
ただし、ここで一つ問題がありました。
通常のドリップ温度(90℃前後)で淹れると、少し酸が前に出すぎるのです。
低めの温度でドリップすると何が変わるのか

そこで試したのが、
湯温を85℃前後まで下げたドリップ。
結果は驚くほどはっきりしていました。
低温ドリップで感じた変化
- 酸味が丸くなり、嫌な尖りが消える
- 香りがより穏やかに立ち上がる
- 甘みが前に出て、全体のバランスが良くなる
浅煎りのエチオピアは、
「高温=正解」ではないと、あらためて実感しました。
そこで試したのが、
湯温を85℃前後まで下げたドリップ。
結果は驚くほどはっきりしていました。
低温ドリップで感じた変化
- 酸味が丸くなり、嫌な尖りが消える
- 香りがより穏やかに立ち上がる
- 甘みが前に出て、全体のバランスが良くなる
浅煎りのエチオピアは、
「高温=正解」ではないと、あらためて実感しました。
家で試すなら:おすすめドリップレシピ

ご自宅で試す場合の、ひとつの目安です。
- 豆量:12g
- 挽き目:中細挽き
- 湯量:180ml
- 湯温:83〜86℃
- 抽出時間:2分30秒前後
ポイントは、
勢いよく注ぎすぎないこと。
やさしく、静かに淹れると、シダモの香りがきれいに出ます。
80℃代でドリップすると、飲んだ時にぬるいかなと感じるかもしれません。
ぜひ、マグカップをお湯であたためみてください。一手間では、ありますがとても効果があります。あつあつで、飲みやすいコーヒーが淹れられますよ。
焙煎して、淹れて、初めてわかること
同じ豆でも、
- 焙煎度
- 抽出温度
- 淹れ方
で、まったく別の表情を見せてくれる。
それがコーヒーの面白さだと思っています。
今回のエチオピア シダモG2は、
浅煎り × 低温ドリップで、
ようやく「この豆らしい場所」に落ち着いた感覚がありました。
もし、
「酸味が苦手だけど、エチオピアは気になる」
という方がいたら、ぜひ一度この淹れ方を試してみてください。
CROPは、毎日飲むのにちょうどいいコーヒーを目指しています。
ペーパードリップは、ちょっとした工夫で味が大きく変わります。当店では、こうしたコーヒーの情報や、店主のコーヒー焙煎での出来事を日記にしています。秋田で、ちいさなタイニーハウスで日々焙煎しています。気になっていただいた方は、ぜひbase のショップから注文いただけたら嬉しいです。


